のんびりダイアリー

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壁画のデザインを募集

高山市では、橋づめや交差点のわずかな場所にベンチを置いたり、植栽をした「シティスポット」を整備しており、散策に疲れた観光客の憩いの空間として評価が高い。公衆トインを設置する際このようなシティスポットやポケットパークを一体的に整備し、都市に憩いの空間を作つていくという、積極的な戦略をトイレ行政、の側から公衆トインの実態と課題とることも求められるのではなかろうか。ところで図7は、横浜市で調査を行った際、筆者らが検討した、新しい公衆トインのアイデアスケッチである。都市のなかにちょっとしたポケットパークがあり、そこには案内地図・公衆電話・ベンチ、そして公衆トインがあり、四季折々の花が目を楽しませてくれる。そして、その憩いの空間の管理は地元の住民や、子供たちが参加して行う。筆者の描く理想の公衆トインの1つである。トイレアメニティ作りへの住民参加公衆トイレは管理上の問題が多く、そのことがトイレ行政の立ち遅れの要因となっていることは前に述べたが、管理する側も利用する側も公衆トイレが地域の公共施設であるという原点に立ち返って考える必要がある。これは他の都市施設や公共空間の管理の問題と同じである。しかしこれまでのところ、公衆トイレは都市住民にとって最も身近な施設であるにもかかわらず、その設置や管理に市民はほとんど関与してこなかった。むしろ市民の側が関心を持たなかったというより、行政にそのような発想がなかったというべきだろう。ョーロッパでは、公衆トイレの鍵を向かいの商店が預り、利用者はその店で鍵を借りるというシステムも見られる。これはその公衆トインの管理がコミュニティに委ねられているからである。自治体によっては、公衆トイレの清掃や管理を住民に委ねているところもあるが、住民管理の方法や行政と住民の役割分担については、さらに研究する必要がある。また、北九州市では、昭和60年に公衆トイレを壁画で飾ろうと、市民から壁画のデザインを募集した。公衆トインを市民参加で作ろうという、新しい試みである。また、長野県飯田市では、昭和61年に公衆トインのデザインコンペを行つている。駅前広場の多目的トイレキオスク公衆トイレを市民が参加して作る。何と楽しいことであろうか。公衆トインを汚い臭いといって自分と無関係の存在に遠ざけるのではなく、都市に不可欠な施設であり人間に不可欠な場所であるなら、その空間をもっと大切に美しく保つていくために、市民がもっと関わりをもてるような工夫が必要ではないだろうか。